広大な敷地の中に、自然の風景を切り取るような和の庭を計画しました。山石の力強さと、四季折々に表情を変える植栽が織りなす景色は、訪れるたびに新たな発見を与えてくれます。

　アプローチには自然石の階段を用い、足元からも自然の質感を感じられるように設計。門柱には荒々しい表情の石を立て、その間に据えた黒い縦格子門が静謐な佇まいを演出します。門を抜けると、庭の奥へと誘う石畳が玄関へと続き、灯籠や苔庭が控えめに空間を彩ります。

　デッキから眺める芝庭は、ゆったりとした時間を過ごすための特等席。周囲の樹々が作る緑のスクリーンが、日常から離れた穏やかなひとときをもたらします。

　この庭は、歳月とともに植栽や石が風景に馴染み、より深みのある景観へと成長していきます。暮らしに寄り添い、自然と共に息づく庭空間です。